あー……綺麗だなあ。花火が上がるって知っていたら、1人で見ようなんて思わなかったのに。

クラス皆の目標だった賞は無理だったけれど、これでも良いごほうびだなあ。

ふと視線を空から地に戻してみると、視界に入ったのは入村さんと機械君の姿。

入村さんは早速アタックをして見せているようだ。楽しそうだな。

行動が早いと思いながらも、結ばれると良いなとも思ったり。


……あれ。私、自分の恋を差し置いて人の恋を応援?

こうしていられない! 私も早く先生に猛アタックして……いるのに、分かってくれない。

決めた。アタックしても先生は私に振り向いてなんかくれない。

だからもうすぐあるであろう国語の小テストで、85点を取ったら告白しよう。絶対に。

それを応援するかのように、最後に1番大きなオレンジ色の花火が私の視界いっぱいに広がった。