「あ、ああ…………あ……」

「……? あ、君は確か」

「はい! 小比木紗世です! 先生を探していました!」


何かあまりにも挙動不審すぎるような気がする。私ってば。

先生だって忙しいんだから言うべき事はキチンと言わないと。

首を傾げながら、きっと私の言葉を待っているんだろう先生の目の前にズズイっと、

持っていた500ミリペットボトルのスポーツドリンクと、

もみくちゃにされながらも手に入れたのど飴を差し出した。


「これを、僕に? なんでまた……」

「はい! キチンとまだお礼を言っていなかったので。
あの時は助けてくれて有難うございました。よければ受け取って下さい!」


私変な事言っていないよね? 恐る恐る先生の顔を見て見れば、優しく笑っていた。