クラスの片付けが終わり、やっと猫耳と浴衣から解放され、思い切り背伸びをした所で。

私は急いでまずは部活の出し物片付けに行った……のは良いけど、ほとんど終わっちゃっていた。

展示されていた作品を返してくれただけで、もうおしまい。

再び教室に戻れば軽くイラだっている様子の入村さんの姿が真っ先に飛び込んで来た。

そりゃそうだよね。私が誘っておいたのに放っておかれたんだもの。

部活の事をすっかり忘れていた私も私だけどさ……。

片付け中にみっちゃんには事情を話しておいたし、さあ出発!


「ごめんね。書道部の方に行っていたら遅くなっちゃった」

「小比木さんって書道部だったんだ? 意外」

「うん。意外って言うのはちょっと心外だけど」


会話がちっとも続かない。