ミラクル先生といっしょ。

遠くの方にいる入村さんは僅差とはいえ、既に勝ちを確信している様子。まだ決まっていないのに。

確かに残り時間はもう1時間切っているけれどさ。ギリギリまでそんな顔をしないで欲しい。


「小比木ー! 来たぞ!!」


ほら、言わんこっちゃない。まだまだ勝負は分からないって事ね!

さあ、どんな子かな……出来れば汗ばんだ人は嫌だな。


「はーいっ! お待たせしました……って」


そこで待っていたのは、まだ幼稚園くらいの小さな男の子。

両手で力強く青いチラシを握りしめている。

隣にはその人の母親と思わしき20代半ばくらいのショートヘアの女の人がいた。

あれ? この子に渡した覚えが一切ないんだけど。何で??


「小比木さん……いくら勝ちたいからって、必ず来てくれそうな子に渡すなんて卑怯よ!?」


そう言われても困る。渡した覚えなんてないから。

否定したところで信じてもらえそうにもないから黙っていよう。