恋愛は自由なのだから好きにやれば良い。

こんな勝ち負けで決められたくなんかなかったからだ。

それにメイド喫茶って決まった訳じゃないし……。それを言えば入村さんは……。


「お化け屋敷になってもやる事は一緒よ! 
……逃げる気? なんて弱虫。じゃあ先生を諦めなさい」


……何その上から目線。凄くカチンと来たんだけど。


「……何その言い方。そこまで言うならやってやろうじゃないの?」

「そうこなくっちゃ。それじゃ、決まりね。当日になって逃げるんじゃないわよ?」


そう言い残して入村さんは屋上から出て行った。

その後ろ姿を見送った後で、私は“やってしまった”と青ざめた。

何で私ってああいう軽い挑発に乗りやすいんだろうなあ。