今もほら、


ダメだってわかってても、
体が勝手に進む。


まるで引き寄せられるかのように。




「どうしたの?」



そう声をかけたのはあたしの意思じゃない。



「大丈夫?」



口が勝手に動くだけ。





あたしの言葉に気がつき、
顔を上げた男の人。




ジッとこちらを見据える。