「可愛そうに。 お前は関係なかったのにな」 そう言って、 あたしの顎を掴み、 獲物を捕らえる目であたしを見る男。 「でも残念だよ。 何も覚えていなかったなら家に帰してやれてたかもしれないのに」 ガクガク震えるあたしの頬を撫で、微笑む。 「立て」 あたしの腕を掴み、 立ち上がらせようとしたその時____ 「助けて...お願い」 そう呟き、 あたしの記憶はプツリと途絶えた。