そんなあたしに、 「覚えてるんだな?」 不敵に笑う男。 その表情(かお)に腰を抜かしそうになり、 あたしは床に座り込んだ。 そして、 「覚えてるなら話は早い」 一歩一歩あたしに近づいてくる男。 「困るんだよ、無駄な証拠は残さない」 あたしの目の前に影ができ、 男がすぐ傍に来ていることを物語る。