ふと、自分の名刺以外の名刺に目が行った。




Bar Malt

Bartender 小早川 聖









そうだ、この間ウェーブ男と行ったバーのバーテンダーが名刺をくれたんだ。


「……小早川、聖。」



名前を声に出して読むと、彼の顔がふと浮かんだ。


綺麗な指先。

美味しいお酒。



なんだか、無償に彼に逢いたくなった。


美味しいお酒と、彼の、優しい笑顔に。


……無償に逢いたくなった。