「あれ、何?」

 新田の態度は緊張感もなく、ごく普通に振る舞っている。

 高蔵が顔を出すと、新田は顔を強張らせ、口にチャックをしたように閉められた。

「犯人さがしてんだ。お前か?」

「ち、違います」

 新田は気が弱い方なので、高蔵の圧力には到底かなわないのだ。

「それと、荒屋知らねーか?」

「し、知っています」

 新田は言うと、ノコノコと荒屋が新田の後ろから現れた。

「荒屋、ここにいたのか!」