「お母さん!」

 と、ひとみドアを閉めた。

 しばらくすると、瓜二つと言ってもいいくらい、ひとみにそっくりな母親が出てきた。

「うちの娘は本なんか盗みませんから! 帰って……」

 ドアは閉められた。力いっぱい閉められたので、四人は体をこわばらせた。

「どうも、違うな……」

 高蔵はぶつぶつと言った。