「その……」

 子吉沢はアリスのかわいらしさに圧倒し、言葉が浮かばなかった。

「宿題やった?」

 と、割りこんできたのは馬屋であった。

「あっ、忘れた!」

 アリスが言うと、高蔵まで近づいてきた。

「大丈夫さ!」

 高蔵はやけに落ちついている。

「高基先生って、宿題とか忘れたらうるさいんじゃない」

 アリスは初日の高基教諭の態度からし、忘れ物など厳しく指導されると予想して、不安を抱いたのだ。