「はーい! 練習したけど、なかなかうまくできません」

 誰よりも大きな声で高蔵は言ったので、目立ってしまった。

「そう、高蔵君、本当に練習した?」

 藤美教諭も他の生徒よりも目立つ高蔵に始めに質問した。

「やっぱり、先生がいないと、ちょっと難しいみたいです」

 高蔵は調子がいいと言えよう。

「そう、じゃ、放課後練習する?」

「しまーす」

「僕も! シマス。練乳します」

 古田がお得意のつまらないギャグを言ったが誰も笑う者はいなかった。