しばらく途方に暮れたあと、オレは部屋中を歩きまわった。 そうする事しかできなかった。 早足で玄関へ行き、 キッチンへ行き、 バスルームへ行き…… ワンルームなので歩くスペースは限られているのだが、 そりゃあ、そわそわと歩きまわった。 しかしまるで足音がしない。 キャットウォーク! 混乱しながらも、これがそうかと感心する余裕はあった。 単純な自分の脳に、我ながらあきれる。