人こそ芸術 part1


ゆっくり扉を閉め、部屋の中央に置いてある丸い背の高いテーブルにシャンパンとグラスを置く。

シャンパンのコルクを抜き、背の高い華奢なグラスに注ぐ。

黄金の液体の底から沢山の炭酸が水面に向かってパチパチと弾ける。

まるでサンゴの産卵。

プラスチック製のテーブルとお揃いの背もたれ付き椅子に腰掛ける。

汗をかいたグラスを手に、僕の一番最初のコレクションを見つめる。

それはコレクションにした日と変わらない姿でカプセル型の水槽に入っている。

名前は村上里美(ムラカミサトミ)。

五年前に僕の初めての作品。

街で見かけ声をかけたら、警戒もせずに家までついてきた。

その時は連れて来て直ぐに殺し、臓物を取り出してホルマリン液に浸けた。

あの時の気持ちは、初めての性行為の様な興奮でいっぱいだった。

一線を越えてしまう興奮。

今でも作品にする作業の時は興奮で胸が高鳴る。

そして“増える”という嬉しさに満たされるのだ。