「歳。あの子はいい子だよ」
近藤は愛娘を見るような穏やかな顔で閉まった襖を見る。
「……悪かないのかもしれねーな」
土方は下を向いて、ごもごもと口の中だけで言葉を発したため、近藤にはよく聞こえなかった。
「はっはっは!歳がはっきりものを言わないってのは、大体褒めるか認めるかしてる時なんだよな〜!」
近藤が笑いながら土方の肩を叩く。自分を知り尽くした幼馴染の言葉に急に慌て出す土方。
「馬鹿言うな!!あんな奴のどこがいい子なんだよ?!かっちゃんの眼は節穴か?!」
(昔のあだ名で呼ぶのがまたその証拠なんだよな〜)
近藤は密かに思ったが、これ以上言うと本当に怒り出すので、何も言わずにただ笑うだけにした。

