「面白かったね」 映画が終わってざわつく映画館。 真ん中の席だから、すぐに立ち上がらなくても人の迷惑にならない…そう考えて、なかなか立ち上がらないあたしに 「はい、どーぞ」 長谷川くんがスッと手を差し出してくれた。 「あ…ありがと…」 長谷川くんの好意を無駄にしちゃいけない… そう思い、差し出された右手につかまるような格好で立ち上がったとき、 ふら…っと、頭ががふらついた。 あ…立ちくらみ…