長谷川くんに指定されたお見舞いの時間。 その時刻になっても、あたしが病室のドアをノックできなかったわけは…。 『あのさぁ。 悪いけど。 集合時間だから、オレ、行くわ。 それにさ? 興味ないんだよね。 おまえと遥のこと。 だから、もう、呼び出すな。 オレもさ。 おまえのこと、嫌い、なんだよね。 だからさ? 征とは…いや…おまえとは。 もう“友達”でもなんでもねぇよ』 凌の声が、ドアのすぐ向こうから聞こえてきたから。