振り返ると……


裕司くんだった。


今日も、暑さを全く感じさせない、爽やかな服装で登場した。 



「待たせちゃった?」   

「ううん、全然待ってないよ!私もついさっき来たところ」


「そっか。今日のワンピース、可愛いね!めぐみさんにすごく似合ってるよ!よし、行こっかー!」   


裕司くんは、いつも私が喜ぶようなことをさらりと言ってくれる。


軽く躱したいところだけど、恥ずかしくて、俯いてしまった。


でも……それって、他の女の子にも言ってるのかな?

少しだけ、胸がズキッと痛んだ。