「あ、そーいえばキクくん戻ってきませんね?」
「キク…、ミキんとこ。」
「あ、ああ!でも長くないですか?」
「キク、リレー…」
あ、そっか!
キクくんは足速いし、リレーの選手なんだっけ。
「じゃあきっと、集合かかってそのまま行っちゃったんですね。」
「ん…。」
「応援しましょっか!」
ちょうどそのとき、リレーの選手が入場してきた。
「あっ、キクくんがんばれー!!」
キクくんが、私の声援に気づき、こっちをみて微笑む。
その隣には、さっきまでここにいた鏡夜先輩が…。
「…未羽。」
「は、はいっ!?」
「キョウ、気になる…?」
「へ…?」
そう聞いてきた薫先輩は、なんだかとっても悲しい顔をしていて…。
胸がキュンとなった。
「そういう、わけじゃ…。」
「……ん、そっか。ごめん…応援、しよ。」
そう、薫先輩が笑うから、私もつられて笑った。
「優勝、しましょうねっ!」
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