あと、一周…!
ラスト一周、黄団の三年生はペースを上げ始めた。
鏡夜先輩もなんとかついていく。
黄団、応援しなきゃ…
先輩は、青団なんだから…。
「……がんばれ!!」
この“がんばれ”が、どちらに向けてなのかは、私にもわからない…。
「がんばれー!!あとちょっと!!」
「……キョウ、笑った。」
「あ!」
鏡夜先輩が、一位になった。
「先輩……鏡夜先輩!そのまま!!がんばってー!!」
私が応援してたのは、鏡夜先輩だった。
「……一位。」
薫先輩は、少し口角をあげながら、いった。
鏡夜先輩、かっこよすぎるよ。
一位になっちゃった…。
グラウンドに仰向けで倒れ込み、ガッツポーズをしながら笑ってる鏡夜先輩。
「え…」
鏡夜先輩は、チラッと私の方をみると、優しく微笑んだ。
ドキン…
その笑顔にみとれてしまって、私は自分の胸の鼓動に気がつかなかった。
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