1000m走が始まった。
「え、はやっ!!」
「あいつ…県で、三位。」
「え、あの先頭の人ですか??」
「うん。」
スタート直後に、一人飛び出した黄団の三年生は、県で三位らしい。
「鏡夜先輩は…」
鏡夜先輩は、前から三番目にいた。
一番目が黄団の三年生、二番目が赤団の三年生。
黄団を応援しなきゃなんだけど…
あんなに頑張ってる鏡夜先輩を見てると、応援したくなる。
「つらそう……。」
黄団の三年生のペースが早くて、後ろの方はペースを乱されたみたい。
半周くらい差がついている。
あと、二周半…
「あ……」
「抜かしたっ!」
鏡夜先輩は、前にいた赤団の三年生を抜かした。
一位との差は、そんなにない。
鏡夜先輩は、ぐんぐんと差を縮めていく。
「鏡夜先輩……頑張れ……。」
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