「…あと五分で、誕生日終わる…」 「…うん。」 それは、私たちが恋人でいられる時間。 「未羽…最後のワガママ、聞いて…?」 「うん。」 「キス、したい…」 「……うん…」 最後のキス。 私、薫のキスが好きだった。 私のことを大切にしてくれてるのがよくわかる、優しいキス。 「未羽……好き…」 「うん…」 薫の気持ちに答えてあげることができないのが悲しくて、涙がでた。 薫との、最後のキスは、とても優しくて…涙の味がした。 .