薫の誕生日は、いろんな所に出かけて、いつも通り過ごした。
「未羽、帰国の準備終わった?」
「うん…できたよ。」
明日、私は日本に帰国する。
薫も、先生から許可をもらって一時帰国する。
みんなにはもう、明日帰ることを伝えてある。
「…未羽。」
「なに?」
「一緒に、寝よ…」
少し寂しげな顔で笑う薫。
その笑顔が切なくて、私も笑うことしかできなかった。
「うん…」
なにも喋らず、薫に抱きしめながら、寝転がっていた。
それが心地よくて、寝るのがもったいなくて、ただ黙っていた。
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