くじら








「瑠璃子さん。」




「ひゃあっ!先生……」




気が付くと教室には
私一人しかいなかった




もうみんな帰ったんだ…



陽が傾きかけてる




藤堂先生は私の目の前にいた



「すいません。随分考え事されてましたね…、どうかしました?」




「……ちょっと将来の事について、結婚しなきゃいけないかなぁて…」





先生は将来ですかと頷いた。




「―皆さんからよくそういう話を聞きますね、」






「……急に言われてもわからないんです、」






結婚…




「……僕と結婚でもしますか?」



さらりと先生は言った


「えぇ!」






先生は ハハハと笑った