そんな事を考えながら
馬車で家路についた
「瑠璃子さん、榊さんがいらっしゃっていますよ。」
真っ先に母様の
声が耳に入ってきた
榊さん…
なぜか母様は榊さんが来るとご機嫌になる
きっと 高い手土産でももらってるから
証拠に近くの
お手伝いを見ると 何やら紙袋をもってる
こんなもので釣って
どうせ
社交辞令でしかない癖に。
嫌な気分のまま、
二階に行くと
案の定 榊さんが待っていた
「久しぶりです、瑠璃子さん」
「えぇ、榊さんお久しぶりでございます。」
作り笑いを する。
この男の前で 本当の笑顔なんか見せたくない

