「ご機嫌よう、瑠璃子さん」
「ご機嫌よう、藤堂先生」
藤堂先生が 来て
一週間はすぐ過ぎた
先生はどうやら 評判がいい、
顔が整ってるとか、
教えかたが上手いとか、
いつも笑っている とか
「学校では、瑠璃子は止めて下さい。」
「……別に人前で呼んでないからいいではありませんか?」
本を物色しながら
先生は 言った
図書館はしずかで
声はよく通る…
「…教師の癖にそんな皮肉ばかり言って」
「失礼。この皮肉はなおせません、こびりついてしまってるので…」
本を抱えて
またニコリと微笑む
こびりついて…。
一言が 引っかかった
この先生も、
何か抱えているのかしら

