くじら



兄様は首を軽くふった。



「…勉強できていいですよ。今日はゆっくり出来るので、夕食をいいですか」



母様はもちろん と頷いた





私も大歓迎。




兄様は 父様の
秘書をしていて


中々、家に帰ってこれない。


























「瑠璃子。母様から藤堂さんを紹介されたか…」




「えぇ…。藤堂さんでしょう…、」




兄様は そうかぁと天井を見た。




何かあったのかしら?


「瑠璃子の学校の教師なんだろ、たしか国語か何か…。」



「えぇ、授業はとても分かりやすくて…、それがどうかしたの?」




曖昧に笑いながら
うん、と頷いた。




「……気をつけろよ、瑠璃子」






何に 気をつけるの?





兄様は教えてはくれなかった。