くじら



「本当だよ、君を迎えに行く。…もしかしたら僕にはその時は何も残ってないかもしれないけれど…、」




「…」





何も残ってない。



……大丈夫だろうか。



何もなくてもわたしは彼と生きていけるのだろうか…






わたしは…






「…でも先生はいてくださるでしょう、なら何も心配はないです。わたしは…」








-あなたの恋だから



聡子さん…。








「君は強いな…」


「……先生の、せいです」




「僕のせいかい?」



はははと先生は笑い飛ばした




「……先生がわたしを強くしてくださったんです。」