「…そう感じてしまうのも無理はない。でもみんな君を守りたかったんだよ。僕に気をかける必要はなかったのに君は僕に生きろと言って希望を与えてくれた。“白鴉”という仕事で堕落していく僕を光の方に引っ張っていってくれようとした…。そんな君に周りの人間は気付いて、手助けしてくれるようになった。」
…、先生。
「わたしは、何の力もありません。…何も出来てません…」
私はまだ子どもで先生の苦しみを全部理解できない
先生は私を抱きしめる力を緩めて頭を撫でてくれた
「君が気づいてないだけで君は多くのものを皆に与えている。君が動かなければ周りは僕に気付きもしなかった…。誰も助けてもくれなかったと思うんだ、」
「……まさか、」
そんな事はない、
私は首を振った。
「ありがとう。僕をまた光の方に連れ戻してくれて…、君が居なかったら本当に僕はここまで来れなかった…」

