くじら






好きだった…


だった…もう 過去なのだ。



全て…








彼女の顔を見てるといろいろな事を思い出した




言葉があふれてくる

でも言っても意味のない言葉だらけで


きっと彼女を困らせてしまうだけだ…






「…澄さん」


「なぁに…」




「僕はあなたを愛していました、…あなたが好きだったから“白鴉”という罰を引き受けました。…、」




思い出すのは 幸せだったあの時


でも、もう思い出しかない





戻る事なんかできない
わかっている。




わかっていた




ただすがりつきたかっただけだ。




…自分が

母親以外で愛を与えてくれた彼女に、











「…でも、」



「私もあなたを愛してたわ。きっとあの人よりも…久白君」



「はい…」


レコードの音はまだ鳴り響いている




「立派になったわね…。」



「……」