くじら





先生が 暗闇に同化して
分からなかった




「…本当に先生……」



ザッザッと
着物が擦れる音がする…





ベッドの近くまで来たら
先生がいるのがわかった






「……行きましょう。」


先生は手を出した。







「……昴に…ボロボロにされますよ。ほら、」



グイッと手を引っ張られた。






ベッドから 離れる。
地面に足がつく





「靴はいて下さい。…」



「あ……、は、はい。」



慌てて靴をはく
先生は こっちですと

ドアとは反対側に歩いた





暗闇なのに
先生はスタスタ歩く




「先生……」


「続き部屋で良かったです…。」



ガチャリと音がして、ドアが開いた……



光が見えた…。