くじら


















夕方、





「花園家めぇ~」


食事をしながら いらいらしていた


「こんないい肉…こんなっ。…」


「綾子さん…、」


「あたしのお家だって出せない訳ないわ。けどお父さまがお肉嫌いで、…っ。…久しぶりに見たわ、けどそれが花園家。憎たらしー」



器用にフォークを使って食べる



「気をしっかり、綾子さん。」



「勿論よ…花園家の肉ごときで…っ、そういえば亜美子さんはさっき観たきりね。本っ当怪しいわ…。」



「えぇ…」





「お食事中失礼お嬢さん方。」



知った声が 近くからした



「おじさまぁ。」



振り返ると笑顔を浮かべた雅昭様がいた



綾子さんはパッと笑顔になった



「きれいだね。綾子さん、瑠璃子さん、」


「おじさまこそぉ…あ、それより、なにか用事?」



「あたり…。食事が終わったらきてくれないか、…綾子さんだけ。」




あたしだけ?
綾子さんは 聞き返した





雅昭様は 相変わらず笑顔で頷いた