蝉の音で目が覚めた

「おはよう。」



先生の声がした…




「おはようございます。眩しい…」





「今日も暑くなりそうだね…。」


ミーン ミンミーン






















コンコン!





朝食を食べて一息ついた頃に玄関が叩かれた






「失礼いたします!藤堂様、綾部麻里お迎えにあがりました」




「いらっしゃい。綾部のお嬢様」






「麻里……さん。」




玄関に行くと笑顔の麻里さんと


げんなりした顔の織人さんがいた




「…おはよう織人君。どうぞ中へ…」



「おはようございます。すいません朝から…」










麻里さんは先生をじっと見ていた。



















「昨日は電話をありがとう、織人君」



「いいえ…。」




麻里さんは 出されたお菓子を食べている





お人形みたいだけど
お人形じゃないのよね





「……用事は済みましたか?藤堂先生」



「はい。ありがとうございました…無事に済みました」





先生はにこにこ笑っていた




「……藤堂様。このお菓子はどこのお菓子?とても美味しかったわ」






会話が途切れた時に麻里さんは口を開いた



「知り合いのお店です。『かさ屋』といいます。お父上にお聞きしたら分かりますよ…」





ふぅん と先生の顔を見た