くじら





僕は写真を懐に小さくおりしまった




皺になるわ、と澄さん
が注意しながら笑っていた










「久白君、何読んでるの?」


僕が本を見せたら彼女笑った



「本当に本が好きなのね、あなたは」




「…はい。」







「いい先生になるべきだわ。久白君、今は無理でも、時間を掛けて……、」



「…いつになるのか分かりませんよ」




そんな時が来るのか、
僕はからかい口調で聞いた





「いつかきっと貴方の夢が叶う時が絶対に来るわ…。あんなに頑張ってるんだから」





夢はかなう

じゃあ僕と澄さんの未来は?





澄さんに聞きたかったけど聞かなかった






彼女の困る顔が僕の頭の中に浮かんだ…














澄さんは 話し終えると
ちょっと散歩に行くと部屋から出て行った







引き留めたら良かった





何で安心していたんだろ






澄さんの言葉を僕は心の中で噛みしめてた





















何時間たっても帰ってこない澄さんを



僕は探しに行った
もう暗くなってきている






「……、」



まさか…見つかった?