「そうしたら、あの人は私に興味を持ってね…。お話したりお出かけしたりしたの、色々ゴタゴタしたわ。そして…あの人はもとあった婚約を解消したの」
そして 澄さんと結婚した
「…、澄さんは先生を好きですか」
ふっと笑って頷いた。
「好きよ。私を幸せにしたいと言ってくれたから…」
絶対的な信頼
「そうですか、」
僕は言った。
つまらなかった
でしょと彼女は笑った
澄さんは先生を信じている。
嘘ではないだろう。
けど…
腑に落ちなかった
しっくりこなかった。
本当に信頼しているのか
口先だけだったら
いくらでも騙せる
そういう気持ちが僕の中にあった。
結局は僕も
父と何も変わらない
信頼なんか、ない
あってなるものか。
僕は何かむきになっていた
否定させたかった
信頼なんてないのだと…
なんて愚か
だったかと思うよ。
結局 その気持ちが
身を滅ぼしたんだ…

