相変わらず、
人とは関わらないけど。
少しずつクラスの人と
話すようになった
放課後にぽっかり
空いてしまった時間を埋めるためだけど…
そのせいか 僕も
家に帰る時間も遅くなった
「ただいま帰りました。」
家に帰ると澄さんは
居間で裁縫をしていた
「お帰りなさい。今日もお友達と?」
「はい。」
僕は言って二階に
荷物を置きにいった
ガチャガチャと
台所から音が聞こえてきた
「夕食食べなかったんですか?」
「…えぇ。一人で食べたくなかったから」
澄さんは
丁寧に煮物を食べる
「先生は、今日も…」
「今日も帰って来ないわ。明日も帰って来ないの」
何でもない風に言う
彼女の声はいつもと変わらなかった
「……いいんですか?澄さん、」
「仕方ないの。仕事だから、」
仕方ない…
本当に仕事なのか?
どこかで遊んでる…
可能性もなく
はない…はずなのに
なぜこんなに
落ち着いていられるのかが
分からなかった。
妻なのに…、放っておかれて

