くじら





あたしは無事
家に帰りついた。



「瑠璃子さん、」




「あ、聡子さん。」


居間のソファーに
座っていた


安藤聡子さん。
私の家庭教師、



週に何日か
うちに来てくれる





「聡子さん、待たせてすいません。」


「いいえ、大丈夫」





聡子さんは
軽く首を振った。





「ちゃんと勉強してたかしら…、瑠璃子さん」




「もちろん。」