「ねぇ…貴女大丈夫?」
「え…」
周りを見渡した
誰かに似ている声
「ここよ、し・た」
した…
あら……可愛い令嬢
「…すいません。大丈夫です」
「良かった。消えちゃうかと思ったから、私は綾部麻里。貴女は」
金髪の令嬢…はふふと笑ってくれた
「四条瑠璃子です。…あの、もしかして御兄様は織人さんでは…」
「そうよ。御兄様の知り合い?四条様」
腰に手をあて首をかしげる
「はい……、まぁ」
「あ…、丁度良かった。御兄様!」
麻里さん…はたたっと走っていき織人さんを連れてきた
「…瑠璃子さん。」
「すいません…なんか……、妹さんいらしたんですね。」
織人さんはため息をついて
麻里さんの髪を撫でた
「…すいません、麻里、人さらいはやめろとあれほど言ったろ?」
「だって…。」
わたしの顔をじぃと見ながら呟いた
―消えちゃうかと思った…
私はそんなに思いつめてたかしら…
「…すいません。麻里が、」
「いいえ。綾子さんはいらしてないですね…」