くじら




「次の授業は国語なのに何故倉田先生がいらしてるのかしら」



綾子さんは廊下の方をチラと見る



「倉田先生。次は国語ですよ、」




丁度 級友の子が声をかけた




「今日は藤堂先生が休みなので自習です、席について…」




「先生大丈夫なんですか?」




「風邪引いたらしいですよ、」






風邪…









綾子さんは席につく前ににこっと笑った






次の休み時間に


『お見舞いに行かないと』



と言われると笑い返しながら考えた



















自習が終わり教室から出た倉田先生を捕まえることにした






先生の詳しい事を聞きたかったから…





「倉田先生!」




「あぁ、四条さん・二階堂さん何かご用ですか」



私は、はいと頷いた




「あの…藤堂先生の、容態は?風邪と仰ってましたけど…」




倉田先生は綾子さんを見た後苦笑した




「……風邪は嘘です、二日酔いで気分悪いみたいです。家で寝てます」





二日酔い…


お酒苦手なのかしら。




「見舞いに来られるのが迷惑らしくて、風邪と言ったら来ないでしょう」




倉田先生はにこりと笑った




「成る程。」



綾子さんは、ふーんと頷いた



「お見舞いに行ってあげて下さい。藤堂喜びますよ…」