くじら



トコトコと歩いていたら、
正門に着いていた




見覚えのある
馬車が止まっていた




榊さんだ……



「………」


つい壁際に隠れた。

見られたら 絶対
家につれてかれる




馬車の中の
沈黙を想像したら
耐えきれなそうにない…





「……榊様の家の馬車ですね」


「ご存知なんですか、」





馬車を見ながら先生言った




「………」





「藤堂先生…?」



ザアァアと風が 吹いて 髪の毛が乱れた




先生の顔は無表情だった