くじら






「何しに来たのかしら、昴さんたら…。」




「まぁ君をからかいにでも来たんでしょう…、行きましょうか瑠璃子さん」





「はい。」




頷いて聡子さんの
控え室に向かった










「聡子さん、」



「瑠璃子さん、と…」




聡子さんは白いドレスで座っていた。





「藤堂久白です。彼女の学校の教師をしています、安藤さん」



聡子さんは
よろしくと笑った



「え…えと、おめでとうございます。聡子さん」





「ありがとう。藤堂様もわざわざ足を運んで下さって感謝致します」




先生は いいえと言った




花嫁姿の聡子さんは
とても綺麗に見える




「良かったわね。瑠璃子さん、藤堂様も」




「はい、」




何だかちょっと恥ずかしい




今日は聡子さんの
結婚式なのに…






「楽しみにしてるわ…。次は瑠璃子さんの結婚式ね」




「出来るかしら…。分からないです」




聡子さんは 先生の
方を見ながら微笑んだ



「それはほら…、藤堂先生」




後ろから先生の、
くくっと笑う声がした。




「ええ、いずれは…」