くじら






嘘だと否定しても
嘘じゃないと、言った




今は代わりでいいと。





分かって言ってるのだろうか









自分のしていることを言っても


瑠璃子さんは それでいいと云ってくれるのだろうか








例えば 嫌いな榊家を潰したと言っても…?





彼女は榊旺史郎は苦手だが榊家にはなんの恨みもない


むしろ潰れた榊家に同情している




そういう部分はしっかりしている




他にも多くの企業を潰す仕事をしてても…





昴の言っている事は事実。







本当に汚い事は痛いくらい分かってる。









くじら…





―海にいる生物ね。



―貴方も海に生まれたら良かったのに…





―そしたら、こんなに苦しむ事もなく平和に生きてられたのに



―ごめんなさいね






彼女が自分に言ったなぐさめの言葉




「………、くそ」