くじら






優しい言葉をかけると
瑠璃子さんは ふっと笑った






「……ありがとうございます、先生」



笑っていた




ただ笑い返した。



優しい先生として…





この子を見ていると
自分が物凄く汚い人間に思える






一方では、
優しいと云うから
優しい人間だと考えてしまう






苦しめられる…






本当は優しい人間じゃない





薄汚い…卑怯な人間



そうだと言っても
あの子は、それでもいい

と云う






汚くてもいい…。







離れませんと。