くじら









逢い引きは
何となく終わった…



何事もなく家に
帰ると母様がいた、


「母様…只今帰りました。」



「瑠璃子、落ち着いて聞きなさい。―榊様の経営される会社が…会社が……あぁ、」


くらりと母様は
倒れそうになったが、



使用人が慌ててソファーに座らせた





榊さまが、どうしたの





「瑠璃子、帰ったか。」



「お父様お久しぶりです。お帰りなさいませ…」





父様は二階の
階段から降りてきた





三ヶ月ぶりに見るわ…




相変わらず忙しそう…



「…お父様、榊様はどうなさったのですか?」




「あぁ。…ちょっと二階に来なさい。母さんにも言ったんだが…」













二階の書斎に入り、父様は話し出した。




「…瑠璃子、榊様の会社がつぶれた。」



「えぇ!!まさか、そんな事あるわけが…」





本当に急な話だわ。


何で急に倒産…?




「……私も昨日聞いて。どうにかならないかと話し合ったのだが…中々…難しい。だからな、そのお前の婚約の云々の話は破棄しようと思う……。すまないが」




父様は淡々と事実を話す




榊様の会社が…