私の家の大人は
他の家の大人と同じなのでしょうか。



野良猫が小屋の隅に子猫を産んだ



かわいい小さな命



けど大人は
「捨てておきなさい」と。
「烏が食べるだろう」と。



小さな私は子猫を撫でて
大人と一緒に置き去りにした。




それからこっそり家からでたけど
何ともいえない気持ちになった。




茶色の子猫は「居なかった」。

黒の子猫も「居なかった」。


白い子猫だけは「居た」。


白い子猫の「中身」が見えてる。



「あぁ。死んだんだ」と。

「死んでしまったんだ」と─────。



ハジメテの「死」はこの時だった。



子猫に触れたらまだ温かくて

目を閉じた顔がとてもキレイだった。




きっとこの子猫は
私に「罪」を教える為に此処に「残った」んだ。



いや、
子猫を喰らった烏が教えようとしたのかも。


かわいそうな
この白猫を「残して」。




ごめんね。
ごめんね。




私は、向日葵が咲く隣に
子猫を埋めてあげた。




この頃から「人間」に
「罪」を感じていたのかもしれない。