その晩、疲れ果て眠りを貪るわしの耳に、微かなノイズが走った。違和感を覚えた、と言った方が正しいかもしれない。上半身だけ起き上がり、辺りを見渡すが何の異変もない。耳を澄ましても、聞こえて来るのは壁の掛け時計が時を刻む、カチッ、カチッ、という音のみだった。 気のせいだ。きっと神経が過敏になっているせいだ。 わしはそう結論付け、再び眠りの世界へと旅立った。