ただのワンルームアパート。
そこにやってきた。

「となりに越して来た、
南 あい です。お世話になります」

ずいぶん若いな。
まだ、ハタチにもなってなさげ。

それに、お世話になります?

緊張して、言葉間違えたか。
緊張した様子もないけど。

「あ、よろしくお願いします。福沢です」

そうあいさつした。


その子は、くすっと笑った。

「知ってますよ。福沢 健留さんですよね?」

すんなりと、俺の名前を口にする。