君色ジンジャーティー


私は、台所に入ってやかんを棚から出す。
適当な量の水を入れ、火にかける。

その間に、マグカップを出すことにする。
私専用の、雪だるまの模様のマグカップ。
それをテーブルに置いた。

ジンジャーティーでも作ろうか。

引き出しから、黄色の箱を取り出す。
その箱から、一つだけパックを手に取った。

それをマグカップに入れ、やかんを見やる。
しかしそれだけじゃわからないため、少しの距離をとって上から手をあてる。
仄かに温かい。
もう少し待つことにしよう。

暇なので、ピザトーストを作ることにする。
私は、柔らかい食パンが好きだ。
だって、焼いて固くなった耳が嫌いだから。
しかしトーストは頑張る。無駄に努力。

まずは冷蔵庫からケチャップとチーズとソーセージを出す。ついでに、生姜チューブも。
勿論とろけるチーズだ。

そしてソーセージを一本、輪切りにする。
やかんのチェックも忘れない。
薄く切ったソーセージを食パンに乗せ、ケチャップをかける。

まんべんなく、かけすぎではないのかというくらいかけるのが雪樹流だ。
そして最後にとろけるチーズを豪快に乗せてレンジでチン。

五分ほど待たなければいけないなあ。
やかんが、しゅうっと鳴いた。
沸騰したようだ。

「うお、やべー」
一人呟く姿は怪しいものとは理解していたが、口は勝手に動く。
私は口から生まれてきたのかもしれない。

急いで火を止める。
そして、早速マグカップに中身を注いだ。