「ショウコさんのアドレス、どうして
 わかったの?」

 ユマとテツロウは住宅街のT字路の
角に立っていた。

 そこを曲がれば、すぐ先にユマの家
がある。

 遅いから危ないと言いはって、テツロウ
が送ってきたのだった。

 他の人には見えないのだからボディ
ガードとしては役にたたないと思ったが、
ユマは何も言わなかった。

「ショウコさんもあなたのこと好き
 だったんじゃないかなって思ったの。

 だから決してあなたを忘れない、
 そういうメアドにしたんじゃないかな
 って。

 私ならそうするもの」

「どんな?」

「t・e・t・s・u・r・o・7・3、
 あとは@マーク……」

テツロウの名前、そして彼の命日。

「そしたら通じちゃったの」

「そっか」

 テツロウは照れくさそうに、
ぎこちなくほほえんだ。

「ありがとう」